昔から島原の手延べそうめんは細くてのどごしもよく、業界からは定評があった。しかし、一般的に有名なのは、兵庫県の「揖保乃糸」や奈良の「三輪そうめん」であった。そのため、業界では定評のあった島原のそうめんは、島原手延べそうめんとしてではなく、生産が間に合わない「三輪そうめん」からの依頼を受けて、奈良の「三輪そうめん」として出荷されていた。 転機となったのは平成20年。生産者の産地表示が義務となり、島原産の三輪そうめんは通らなくなった。そのため、三輪からの注文は無くなり、島原手延べそうめん協会は自分たちで「島原手延べそうめん」として販売することとなった。 しかしながら、元来定評のあった「島原手伸べそうめん」は瞬く間にその名前が知れわたり、今では全国的にも有名となったそうめんである。

・小麦
100%輸入だが、社長が何種類もの小麦から厳選した、甘みが強いものを使用。
・島原の湧水
雲仙山系に育まれ、名水百選にも選ばれている美味しい水。
・国産の天然塩
少しの塩加減が命取りとなるため、塩にはこだわりぬいた国産の塩を使用。
・厳選した綿実油
のどごしにも深くかかわってくるため、島原手延べそうめんでは厳選した綿実油を使用している。

そうめんの太さは直径1.3mmと決められており、それ以上太いものは冷麦となり、そうめんとしての価値を失う。全国のそうめん生産者のための技能検定も実施されており、もちろん島原手延べそうめん生産者も多数合格している。
1.練り工程
麺生地を帯状にし、くっつかないよう菜種油を塗布していく。熟成と細く延ばしていく工程を何度も繰り返す。厳選された綿実油がここで他のそうめんとの差をつけ、のどごしの良いそうめんとなる。
2.板切り工程
ある程度まで細くなった麺生地を2本の棒にかけ、さらに伸ばして細くする。その日の気温・塩の強さ・練り具合などによって、加減しながら延ばしていく。職人の長年の経験と積み上げられた技術がここで発揮される作業である。
3.引き工程
ある程度まで細くなった麺生地を2本の棒にかけ、さらに伸ばして細くする。その日の気温・塩の強さ・練り具合などによって、加減しながら延ばしていく。職人の長年の経験と積み上げられた技術がここで発揮される作業である。

4.乾燥工程
延ばしたそうめんを「付けばた」という棚に引っ掛け、乾燥させる。くっつかないよう、入念に棒でさばいて最後のチェックをしていく。職人の目がここでも光る。
5.梱包作業
カットして束ねたそうめんを丁寧に箱詰めしていく。細く折れやすいそうめんの箱詰め作業は、丁寧さと迅速さが要求される集中力と根気の要る作業。